金庫を購入する際は、事前に「設置」についても考えなければなりません。
設置にふさわしい場所を選び、設置の方法や床の強度を確認する必要があるためです。今回は金庫の設置方法について解説します。
金庫の設置でやってはならないNG行動って?
金庫を設置する際にはいくつか気をつけるべきことがあります。これは避けるべきというポイントを挙げてみましょう。
湿気の多い場所はNG
金庫は庫内に湿気がこもりやすいため、周囲の湿度が高くないところに設置するのが基本です。湿気が多いとカビや腐食の原因になります。
右に隙間のない場所に置くのはNG
多くの金庫は右開きで作られています。右開きとは「向かって右側へ扉が開く」仕様のことで、例えば縦書きの本も右開きになっています。
そのため、向かって右側に隙間のない状態で金庫を設置すると、扉が開かなくなってしまいます。これは冷蔵庫を思い浮かべてもらうとわかりやすいでしょう。右側に壁などがある場合は金庫の扉を開け閉めするスペースが確保できるか、という点に注意が必要です。
床に直に置くのはNG
50kg以下の金庫であればそれほど影響はありませんが、重量のある金庫を床の上にそのまま設置すると床面が傷む可能性があります。その場合はコンパネと呼ばれる合板を下に敷くと荷重を分散させられます。
コンパネとは主にコンクリート型枠として使用される合板=コンクリートパネルのことで、ホームセンターなどで手に入れることができます。
玄関や窓など、出入口に近いところに置くのはNG
扉のこじ開けなどに強い防盗金庫であっても、金庫をそのまま持ち去られてしまってはどうしようもありません。
実際、金庫盗難事件の約15%が持ち去りによるものと報告されています。
持ち去り被害を防ぐためには出入口となる玄関や窓からできるだけ遠いところに金庫を置いたほうがいいでしょう。施錠できるドアを複数開けなければたどり着けないところに設置するのが理想的です。
部屋の中でもなるべくドアや窓から遠い場所に置くように心がけましょう。
人目につく場所に置くのはNG
玄関はもちろん、ベランダや窓から見える場所に金庫を置くのもよくありません。どうしても窓などから見えてしまう場所に置く必要がある場合は、目隠しを作ったりカバーをかけたりするなど、人目につきにくい工夫をしたほうが安心でしょう。
重い金庫の設置方法は?
重量が100kg前後の金庫を置く場合、床の強度や素材によっては補強を行う必要があるかもしれません。
自身で判断できない場合は家を建てた時の施工業者や建物の管理者に相談してみましょう。
金庫を設置して床が傷ついたり抜けたりすることのないよう、金庫の購入前に床板や床下の確認を実施し、補強などの作業をしておくようにしてください。
金庫を固定するには?
防犯性をアップさせるためには金庫を床に固定するなど持ち去り対策用の設置施工を行うのも有効です。施工には次のような種類があります。
金庫埋設
金庫を全面的に、あるいは脚車部分のみをコンクリートで埋設する方法です。極めて効果が大きい施策ですが、金庫の取り替えや撤去時にそれなりに大掛かりな工事が必要になり、多くの費用が必要になるでしょう。
金庫固定
専用の固定用金具などを用いて金庫の底面と床面をフォールインアンカーで固定します。床面の素材がコンクリートなどきちんと固定できるものである必要があります。
ベースボード取り付け
金庫より大きいサイズの鉄板などで出来た敷板を取り付ける方法です。ベースボードを金庫にとりつけている場合、金庫を持ち出そうとするときに自分自身がベースボードの上に乗っている状態になるため、金庫を動かすことが極めて困難になります。オプションでベースボードが用意されている金庫もあります。
金庫を設置する際には気をつけるべきポイントが多くあります。金庫選びの際は、まず家の中のどこに置くのが適切かを考えることから始めましょう。