近年、自宅や所有している物件を宿泊施設として旅行者に貸し出す民泊が増えています。しかし、他人を泊めるということに加えて、施設のセキュリティもホテルや旅館に比べたら、あまり行き届いていない事もあるでしょう、そこで、民泊として貸し出しをする際に気を付けたい盗難対策について解説していきます。
日本の民泊事情
民泊ブームの火付け役は、Airbnbという世界各国のホストとゲストをつなぐ仲介プラットフォームでした。日本でも2014年のAirbnb Japanの発足以降、ホテルや旅館よりも相場価格が低いこと、日本の民家に興味を持っている外国人が多いといった理由から、海外の観光客が日本の民泊を利用するケースが増えています。
しかし、民泊ブームが盛り上がる一方で、セキュリティ面での懸念があるということも事実です。防犯の意識が低いといわれる日本で、宿泊業の経験のないオーナーが世界中からゲストを迎えるビジネスを気軽に始められる以上、当然トラブル発生は憂慮されます。例えば、宿泊者間での盗難の発生や、物件所有者の所有物が盗難に遭うなどの事例に対応すべく、セキュリティ面の強化が急務といえます。
民泊でホストが盗難被害に遭わないためにできること
民泊のゲストは日本も含めた様々な国の人々です。間口が広い分、セキュリティに関して意識の違いなどもあることでしょう。そんな民泊のホストとして盗難被害を未然に防ぐには、細心の注意を払って、下記にあげるようなささやかな対策を積み重ねる必要があるでしょう。
盗まれて困るものはゲストルームに置かない
基本中の基本として、民泊として使用する家や部屋には、貴重品や大事なものを置かないようにしましょう。特に、自宅などの空き部屋を貸し出すケースでは、物置がわりに自分の家の持ち物を置いたままにしているケースがあり、大事なものは改めて意識して撤去が必要です。
チェックインの際に持ち帰りOKのものを説明する
備品などがなくなってしまう前に、持ち帰って良いものとNGなものをゲストにしっかり伝えましょう。備品の件に限らず、コミュニケーションをよくとりゲストへ関心を示すことは、犯罪やトラブルの抑止につながりやすいです。
むやみにゲストを受け入れない
ホテルや旅館などと違って、民泊では宿泊するゲストを取捨することができます。予約の入ったゲストを全て受け入れるのではなく、仲介サイトで写真を載せていない、レビューなど評価が低い、又は本人確認が取れないといった場合には予約を断るほうが得策です。
部屋の鍵や暗証番号を変更する
民泊における盗難物品には、部屋の鍵も数えられます。ゲストが誤って持ち帰るケースもありますが、持ち帰った鍵もしくは合鍵で侵入するケースも考えらます。さらに暗証番号式の鍵の場合は、その暗証番号を覚えて侵入される危険もあります。そのため、部屋の鍵はこまめに変更する、暗証番号はその都度変更できるものにするといった対策は、ホストの努めです。ちなみに、鍵の場合はディンプルキーやカードキーにすると、合鍵を作られにくくなります。
民泊でゲスト同士の盗難被害を起こさないためにできること
ホストの所有物のみならず、ゲストが別のゲストの貴重品などを盗難するケースも考えられます。これを防ぐためには、突破されにくい金庫やロッカーを用意しておくのが有効です。金庫やロッカーの鍵はダイヤル式やテンキー式で暗証番号を入力するものにすれば、鍵を盗難されるケースも減少するでしょう。そして、これらの鍵や暗証番号はその都度変えるようにしたり、二重ロックにしたりなどの対策を講じれば、さらにセキュリティが向上します。
もしホストが盗難被害にあってしまったら
民泊を運営するホストは上記のような盗難対策を取り入れることが重要ですが、もし盗難に遭ってしまった場合には速やかに仲介サイトに相談するもしくは、警察に連絡をしましょう。民泊において盗難が発生した場合、ゲストに低評価をつけることはできますが、ホスト側もセキュリティ対策が甘いということでイメージダウンしてしまうことも考えられます。ゲストを迎える前に盗難対策はしっかりと行っておくべきです。セキュリティを強化しておけば、トラブルを防げるだけではなく、ゲストからの信用を得ることにつながるのです。