駐輪場は、自転車をとめることを許可された専用の場所です。しかし、駐輪場にとめる時でも、自転車にはきちんとした防犯対策が必要となります。安全性が高いイメージの駐輪場で防犯対策が必要な理由と、具体的な対策について紹介します。
駐輪場でも防犯対策が必要な理由
不法な駐輪をしないために、多くの人は駐輪場を利用します。駐輪場というと、漠然と安全なイメージを持つ人が多いのですが、意外にも、自転車の多くが実は駐輪場で盗まれています。そもそも、自転車は盗まれやすい傾向にあります。自動車やバイクよりも軽量で、スポーツ用となれば車輪も簡単に外せてしまい、持ち去りやすいという点があります。また価格的には、一般的な「ママチャリ」で1万円前後、ロードバイクなどの趣味のものなら最低でも数万円以上です。安いものは軽い気持ちで乗り捨てられたりする危険があり、高額のものは窃盗犯にとってうまみのあるターゲットになります。特にロードバイクやマウンテンバイク、クロスバイクなど、趣味で自転車に乗る人は、本体はもちろん付属の部品などにも高額な製品を使用しています。スポーツ自転車は、中古市場でも高額で取引されており、オークションサイトなどで素人が売買することも可能です。そのため、盗んで売却することに魅力を感じる犯罪者も少なくないのでしょう。このような自転車が、持ち主の目から離れる場所のひとつが、駐輪場です。たくさんの自転車のなかに、無防備なものがあったら、狙われても不思議ではありません。駐輪場で盗難されてしまった場合、自己責任となり、基本的に駐輪場の管理責任を問えません。有料の駐車場でも同様です。お金を支払って駐輪した上に、盗まれても責任を取ってもらえないのでは割に合わないと感じるかも知れませんが、駐輪場は代金と引き換えに場所を提供しているのであり、管理責任を負っているわけではない場合がほとんどです。駐輪場が管理人や監視カメラを置いている場合は、不審な行動を発見しやすく、犯罪の抑止力にはなります。しかし盗難が発生しないことを約束するものではなく、自己責任に変わりはありません。以上のように、駐輪場に入れたからといって油断はできません。駐輪場でもしっかり防犯対策をして、自分で盗難被害から愛車を守ることが大切です。
駐輪所に自転車をおく場合の盗難対策
盗難対策として必ず行ってほしい有効な手段は、やはりロックです。ロックの方法にも留意して、徹底したいものです。
・少しだけ自転車から離れる場合でも必ず鍵を付ける
たとえ自転車から離れる時間が短くても、忘れずに鍵をかけることが大切です。鍵がかかることで物理的に盗難されにくくなることはもちろんですが、それ以上に「盗るのが難しそう」と思わせる心理的な働きも期待できます。
・自転車備え付けの鍵の他に鍵を付ける
自転車にかける鍵は、自転車備え付けの鍵だけでなく、チェーンロックやワイヤーロック、U字ロックなどの自前のロックを加えるほうが安全性が高くなります。また、スポーツ自転車の場合には、前輪と後輪、サドルなどもワイヤーロックで固定することで、部品を盗まれるのを防げます。
・地球ロックを行う
自転車は軽量なので、車輪とフレーム、車輪同士を固定していたとしても、持ち上げて運べます。そのため、駐輪場内でも、柱などが利用できる場合には「地球ロック」を行うとより安心感が増します。地球(地面)から生えている、もしくは埋まっていて動かせない柱などに自転車本体や車輪などを固定しておけば、持ち去るのが一層難しくなるでしょう。
それでも自転車が盗まれてしまったら
盗難対策はある程度の盗難抑止力となり、予防効果が得られますが、どんなに予防をしても100パーセント盗まれないとはいえません。そのため、万が一盗まれた場合のことも考えておく必要もあります。基本的には、どんなに安い自転車だったとしても必ず盗難届を出しておくことが大切です。売却されてしまえば見つからないこともありますが、放置自転車として発見された場合に盗難届を出しておくと撤去料が免除になります。安い自転車ほど乗り捨てられて保管所に回収される可能性が高いので、どんな安物でも届出は必須です。また、自転車の購入と同時に防犯登録をするのも大切です。きちんと登録をしておけば盗難届もスムーズですし、盗難後に戻ってくる可能性が未登録よりは高くなります。盗難届には、防犯登録カードと印鑑が必要です。防犯登録をしていない場合は、防犯登録カードのかわりに車体番号などの自転車を識別できる情報が必要になります。盗られた場合には、速やかに近隣の警察署へ行き、届出をしましょう。盗難に遭いやすい自転車は、駐輪中の防犯対策が必須です。高額な自転車はもちろん、安い自転車であっても、盗難予防と取られた時の対策によって余計な出費を防ぐことは大切です。上記を参考にして基本となるロックを使いこなし、駐輪場でも防犯対策をしっかりしましょう。