テンキー式やダイヤル式の金庫は暗証番号を覚えなければなりません。しかし暗証番号は忘れてしまうことがあるのが困りもの。
今回は暗証番号を忘れないため、あるいは保管する場合などのポイントについてご紹介します。
暗証番号を設定するときに気を付けること
よくいわれるように、誕生日や電話番号、住所・地番、車のナンバーなどを暗証番号として使うのは危険です。当人にとっては忘れにくく便利な番号かもしれませんが、その分、他人に推測されやすい番号でもあります。
とはいえ、まったくランダムな数字を覚えるのも大変です。
いざ金庫を開けようと思ったときに暗証番号を忘れてしまって思い出せない、ということもあり得るでしょう。
そこで忘れにくい暗証番号にするには、自分ではヒントがあれば思い出せるけれど、他人からは簡単に推測できない番号を設定する必要があります。
電話番号、住所、ナンバープレートなら、今ではなく昔使っていたものを使ったり、好きな芸能人や著名人といった第三者の誕生日や記念日を使ったりするのが有効でしょう。
ほかに受験番号、生まれたときの体重、生まれたときの時間、服のサイズ、歴史の年号、山の高さなども他人にバレにくい番号としておすすめです。
テンキー式で桁数を自由に設定できる場合は、できるだけ桁数が多い番号にした方がセキュリティが向上するので、これらを組み合わせた暗証番号を作るのもいいでしょう。
暗証番号の保管方法は?
バレにくい番号であればあるほど、自分でも覚えにくくなってくるかもしれません。とはいえせっかくこだわって決めた暗証番号を忘れてしまったり、他の人に見られてしまったりしては意味がありません。一般的な方法として、メモなどに書き留めておく手段がありますが、この場合メモの取扱いには十分注意が必要です。
もし暗証番号を紙に書いておくのであれば、メモの暗証番号にそれぞれ1を足すと本物の暗証番号になる、ある数字を抜かなければ本物にならない番号を書いておくといった具合に、他人に見られても大丈夫なように工夫をしておきましょう。メモそのものが盗まれてしまった場合、大きな損害につながるかもしれませんので、面倒に感じられるかもしれませんが対策しておいて損はありません。
また、昨今では暗証番号やログインパスワードを管理するためのスマホ用のアプリやPC用ソフトがあります。アプリを起動するためにも暗証番号やパスワード、指紋認証などが必要で、誤入力を繰り返すと自動的に記録が消えるといった設定もできます。
また、もっと単純に、人に見せたくない情報をシークレット機能などで隠して管理できるメモアプリも各種あります。
暗証番号が合っているのに開かない場合は?
暗証番号は合っているはずなのに、番号を入力しても金庫の扉が開かない場合はどうすればいいのでしょうか。
まずテンキー式など電池を使うタイプの場合、疑うべきなのは電池切れです。ランプがついていても電池が消耗しているために解錠できないこともありますので、電池を新しいものに変えてみましょう。また、記憶していた操作方法が間違っていることもあります。取り扱い説明書を改めて確認しましょう。
キーを併用するタイプでは、先にキーを鍵穴に差し込んで開錠状態にしておく必要があるかもしれません。
また、ボタンを押すのに時間がかかりすぎているケースも考えられます。規定回数以上間違えると一定時間入力を受け付けなくなる製品もあるので注意しましょう。
他には、金庫内にものを詰め込み過ぎている、異物が挟まってカンヌキが動かなくなっているという可能性もあります。
どうしても暗証番号が思い出せない時は?
暗証番号が思い出せない場合は、まず取り扱い説明書を確認し、記載されている問い合わせ先に相談しましょう。
長期間電池が切れていた場合、製品によっては自身で設定した暗証番号が消去されてしまうことがあります。その際も工場暗証番号(オリジナルコード)を使えば解錠できる可能性があります。
工場暗証番号は、身分証明などの手続きが必要ですが、金庫を購入した会社か金庫メーカーに問い合わせれば教えてもらえるでしょう。
それも難しい場合、例えばテンキー式とシリンダー錠式のダブルロックになっていて鍵をなくしてしまうケースや、鍵の持ち主が死亡して開け方がわからなくなったケースなどは、開錠業者に依頼する方法があります。
防犯設備士などの資格を持った技術者がいれば専門の道具と技術を使って30分程度で解錠してくれるでしょう。物理的な問題が起きて鍵が開けられなくても、最小限の破壊で扉を開けることは可能です。
金庫の暗証番号は忘れないことが何より大切ですが、万が一の時の対処法も用意しておき、いざというとき慌てないように備えることをおすすめします。